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2019.11.24 カテゴリー:FMながおか日記
まもなく冬本番。暖房器具が活躍する季節です。
そんな時期に気を付けなければいけないのは「火災」だけではありません。
灯油等の燃料の流出事故です。
信濃川水系水質汚濁対策連絡協議会では、毎年この時期に関係者を集め、
事故発生時の対応実技訓練を行ってきました。
今年は関係機関の連携を深めようと、実技訓練に先立ち情報伝達等に関する講習会も開催されました。
10月31日(木)、信濃川河川事務所 大河津出張所1階の多目的ホールで行われた講習会には
県や市などの自治体、ガス水道局、川の維持管理を担う建設業者など52名の皆さんが参加されました。
講師は信濃川河川事務所 副所長 森田 賢治さんです。
油の流出事故は、時間の経過とともに拡散の危険性が高まるため、初動対応が大切です。
◆第一報は迅速に
◆本川に流れる前に支川で止める
◆関係機関に効率的に連絡するため、影響範囲を知っておく
など、実際の事例も交えながら紹介されました。
次に、せせらぎ水路に移動して現地対応実技訓練が行われました。
まずは油処理剤の使用方法や注意点が説明されました。
講師は特定NPO法人 自然エネルギー・環境協会
北関東・東北支部 伊藤 京子さんです。
「陸上で漏れた油は、陸上で回収する」をコンセプトに、油吸着剤を使った拡散防止策の紹介です。
それでも河川に流出してしまった場合、いよいよオイルフェンスの登場です。
これを川面に張り、吸着させながら油の拡散を食い止めます。
オイルフェンスは川岸の杭につなぐ必要があるため、まずはロープワークの研修を行います。
ここでは、輪の大きさが変わらない「もやい結び」の説明がありました。普段、使わない結び方ですね。
いよいよ、オイルフェンスを張っていきます。イメージとしてはこのような形です。
川の流れは真ん中が一番速いため、右岸と左岸で同じ位置につないでしまうとU字型にたわみ、
油は中央に集まってしまいます。川幅が広い川の場合、回収が困難になるばかりでなく、
たわんだフェンスを油が乗り越えてしまう可能性もあるとか。
そのため、川に対して斜め45度に横断させるのが正解です。
とってもキレイですね!
さらに右岸に集まった油をオイルマットを使って吸着します。
訓練を終えたばかりの参加者の皆さんにお話を伺いました。
新潟県長岡地域振興局 地域整備部 庶務課 主事 春日 千尋さんは
「初めて参加したが、初動対応の大切さを感じた。
現場に出ることがあれば、学んだことを活かして自分なりに考えて動きたい」
と気を引き締めていました。
長岡市 環境政策課 技師 山田 龍太さんは
「5年目の参加。中和剤の誤認識など、改めて確認できた。
FAXでの情報提供が遅れがちというデータも出ていたので、迅速に送信できるよう業務に当たっていきたい」
と話していました。
研修を終えた森田副所長は
「関係機関が連携して水質汚濁を食い止めるよう訓練している。
地域住民の皆様には『自分の暮らしが河川に繋がっている』という意識を持って頂けるよう
ご協力頂ければ」とコメントしました。
美しい川は「当たり前」ではありません。
多くの方が関わって守ってくれている、地域の宝です。
「私たちの暮らしが川に繋がっている」という気持ちで、今年の冬も燃料の取り扱いには
じゅうぶん注意しましょう!!!
取材の模様は11月25日(月)の「HEALING ON」内で放送します。
FMながおか 山田 光枝
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